誘惑の延長線上、君を囲う。
「結構さ、帰りも遅かったりして外食とか惣菜が多かったじゃない?たまには家で料理するのも良いよね」

「ん?朝飯は作ってくれてんじゃん?お陰様で朝のコーヒーだけ生活を止めて、御飯も美味しく頂いています」

「作ってる内に入らなくない?簡単にウィンナーとスクランブルエッグとか、鮭は焼いてもお味噌汁はインスタントとか」

「いや、それでも俺からしてみれば、充分過ぎる位に有り難いんだよ」

日下部君は私の目を見ながら話すから、心臓が反応してドキドキし始める。日下部君に感謝されているなら、これからは一層頑張らなきゃな!一人暮らしの時は本当にたまにしか自炊をしなかったので、今の方が数倍している。

「暑いから涼まない?」

時刻は15時過ぎ、アスファルトに照り付けるたいようが一番暑い時間。私達は話しながら、歩道を歩く。駅前のスーパーまで辿り着いたが、あまりの暑さの為、日下部君の一声でコーヒーショップに立ち寄る。

「明日はどこに行きたい?」

「……日下部君の好きな場所で良いよ」

「特にない」

「あ、そう。だったら、夏らしく、海とかビアガーデンとかは?」

「じゃあ、それで良い」

冷房でした程よく冷えているコーヒーショップで、私はアイスカフェラテを飲んでいる。自分から出かけようと言っていたのに、特にないって答えはどうなの?
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