誘惑の延長線上、君を囲う。
二度寝して起きたら、既にチェックアウト1時間半前になっていた。朝食ブッフェの入場終了時間まで残り30分になり、慌てて飛び起きる。朝は散歩コースに行く暇も無く、朝食を取り、荷物の最終確認をしてからホテルを後にした。

リゾートホテルから温泉宿までは少し距離があり、カーナビを設定すると2時間位はドライブの時間があった。道路脇に続いている木々の中に光が射して、緑をキラキラと輝かせ、何とも美しい光景。

「あっ、キャンドル造りが出来るって書いてある!」

「ん?寄り道してみる?」

日下部君は私が返事をする前に左側にウィンカーを出し、左折して駐車場に車を停める。時刻は10時半過ぎ、開店したばかりの時間なのか、混み具合は僅かだった。

「これは90分かかるのか……。どうしようかな?」

「いいじゃん、別に。温泉まで急いでいる訳でもないから、気に入ったのにしなよ」

「ありがとう、じゃあ、これにする!」

キャンドルハウスには沢山の良い香りのするキャンドルや雑貨が沢山置いてあった。お店の隣のワークショップ的な工房では、キャンドル造り体験が出来る。私は90分コースのブリザードフラワー入のグラス型のキャンドルホルダーを制作することにした。

担当スタッフの方に教わりながら、時間をかけてゆっくりとブリザードフラワーの位置を決めていく。私はカラフルな物が良かったので、色付きの紫陽花をメインにした。紫陽花は赤、青、薄い紫の3色を選び、その他に葉類を2種入れる。
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