嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
るか様を思い出すと、胸がキュンと締め付けられた。

こんな時に限って、るか様からもらった言葉を思い出す。

そう言えばるか様、私を愛してくれていたのだろうか。

私は、頭を横に振った。

「もう、元に戻ったんだから。」

考えないようにしよう。

るか様の事。


その瞬間だった。

誰かの気配に気づいて、振り返った。

「つき?」

私の名前を呼ぶ声に、驚いて良く見ると、その人ははやてだった。

「はやて!」

抱きしめようと、一歩前に出た時だ。


「ひぃぃぃ!」

はやてが、後ろに倒れ込んだ。

「はやて?」

「寄るな!幽霊!」

その言葉に、胸が切り裂かれそうになった。

幽霊……
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