嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
第12話 心の中には
村に戻って来て、翌日。

はやてが、屋敷にやってきた。

「つき。」

「はやて。」

はやては、私の隣に座った。


「どうしたの?はやて。」

「うん。」

はやては、用があればさっさと済ませる人。

口ごもるという事は、特に用もなく、私に会いに来てくれる時だった。

「そうだ。はやて、いつときと結婚する事になったの?」

「……知らぬ間にかな。」

「知らぬ間って、大丈夫なの?」

私ははやてを心配した。

「つきがいなくなって、ときに結婚してとせがまれたのかもしれない。」

「覚えてないの?」

「うん。」


ときは、はやてを好きだった。

私がいなくて茫然としているはやてに、言い寄ったのかもしれない。

「でも、約束は約束でしょう?」

「ああ、そうだ。」
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