嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
そしてその夜。

何かの気配に気づいて、目を覚ますと、るか様が側に座っていた。

「るか様!」

「つき。会いたかったぞ。」

嬉しそうに微笑むるか様を見て、私は起き上がって、るか様を抱きしめた。

「先ほど、そなたの父上殿から、娘を差し出すと許しを貰った。」

「お父様に?ふふふ。」

そう言うお父様の、神妙な顔を思い浮かべると、笑いが止まらない。

「有難い事だ。これで我も、存分にそなたを愛せる。」

「そんな……」

なんだか、くすぐったい。


「儀式は、明日にすると言っていました。」

「明日か。明日になれば、つきを妻にできるのだな。」

「はい。」

するとるか様は、私の頭を撫でてくれた。

「待っているぞ、つき。」

「私もです。」

ああ、幸せ。

これからは、るか様の側で暮らせるのね。
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