嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
私を待っていてくれる人がいる。

それだけで、心が温かくなった。

「準備はできたか。」

お父様も部屋に来た。

「ああ、綺麗だな。」

そんな事を言うと、ほろりとまた涙を流した。


「お父様、泣かないで。私、幸せになるから。」

「そうだな。水神様のところへ嫁に行くんだもんな。」

お母様に背中を摩られて、お父様は悲しそうだ。

「では出立!」

屋敷から私が花嫁衣裳で出てくると、村人はおおっ!と声を漏らした。

「やっぱり綺麗だな、つきは。」

「でも、生贄だろ?」

「しっ!それは言わない事だ。」

村人の人も、私に気を遣っているようだ。

特に、ときは。


「つき!」

花嫁行列に、付いてきたとき。

「つき。ごめんなさい。許して。私を許して。」
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