Your PrincessⅡ
 毎日のように、目の前で人が死ぬのを見て。
 慣れた…とはいえ。
 自分でも意識しないうちに、虚しさや脱力感が溜まっていたのかもしれない。

 ローズが世界最強と言われるようになったのは、青年騎士団学校2年生に上がった頃だ。
 無敵だった。
 つまらないくらい標的はあっさりと死んでくれた。
 国外で、異国の人間と戦っても受けごたえのないつまらない戦いだった。

 だから、油断をしてしまった。
 敵に腕を切られたときは、頭に血がのぼるくらい憤慨した。
 雑魚のくせに…
 標的である男をめった刺しにした後。
 急に身体が重たくなった。
 血が滲む腕を見た瞬間、ローズはパニックになる。

 自分の勘を頼りに、人のいない森の中に身を潜めることにした。
 ぜーぜーと自分の口から出てくる呼吸に腹立だしさを覚えた。
 腕を怪我したくらいで、何故。こんなに自分は驚いているのか。
 幼い頃は、何度も生死を彷徨っていたと聞くのに。
「大丈夫ですか?」
 誰もいないはずの森の中で、ローズは声をかけられた。
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