愛を知らない操り人形と、嘘つきな神様
その日のお昼休み。
今日も当たり前のように小遣いをもらえなくて昼飯を買えない環境にいた俺は、ものすごいお腹が空いていた。
制服のズボンのポケットに入れていたスマフォが、突然音を立てる。
ポケットから取りだしてスマフォを起動すると、父さんからラインが来ていた。
『腹が減ってるなら、学校の近くのコンビニに来い』
これ、絶対ご飯もらう前に虐待されるだろ。
『五分以内に来ないと、今日の放課後もガレージに閉じ込めるぞ』
メッセージが既読になったのに気づいた父さんが、催促をしてくる。
「はぁ……」
俺はため息をつくと、昨日閉じ込められたせいで本調子じゃない身体を引きずって、スマフォと二枚のハンカチだけを持って、学校を出た。
鞄は荷物になるだけだと思ったから手に取らなかった。
コンビニには、四分もかからないでついた。
コンビニは駐車場が工事中で使えなくなっていた。
どうせ工事をするならコンビニ自体工事してくれればいいのにな。そうしたら父さんが昼休みにここに来ることもなくなるのに。まあ現実はそんなに甘くないか。
「はあ」
俺はため息をもう一度ついてから、父さんを探した。
父さんは出入り口のすぐ近くにあるイートインスペースに置かれたポットを使って、カップラーメンにお湯を注いでいた。
お湯を注ぎ終わった父さんが後ろに振り向いて外を見る。
しまった。
俺は慌ててコンビニの壁の裏に隠れた。
――何をされるのか、察しがついた。
路地裏等の人気がないとこに連れていかれて、カップラーメンの中身を地べたに投げ捨てられて、それを食うように促されるんだ。
……嫌だ。そんな屈辱味わいたくない。
手元のスマフォが、突然音を立てる。
『早く入れ』
スマフォを起動すると、父さんからラインがきていた。
気づいているのか。
『入んないと、今日の昼飯と夜飯を抜く』
飯を抜かれたら、餓死で死ねるかな。
アホか。死ねねぇよ。死ねるわけがない。
二食抜かれるだけで死ねるなら、俺はきっととっくに死んでいる。
『今から一分以内に入んないと、本当に抜くぞ。今日の昼と夜だけだけじゃない。明日の朝昼晩も抜くぞ』
そんなに抜かれたら、水も取らないようにすれば、明後日までに餓死で死ねるんじゃないか?
――試してみるか?
餓死なら、飛び降りとかをする時みたいに痛みを感じたりすることはないだろうし。まあ空腹を耐えるのは辛いかもしれないけど、暴力を受け続けたりするよりはよっぽどマシだろう。
俺はいつの間にか、ガレージに閉じ込められたせいで重い体をひきずって、コンビニの中に入っていた。
餓死するかどうかを試したいと思っていたハズなのに、そうしていた。
――なにしてんだよ、おい。
何で想っていることと逆に身体が動くんだ。
意味が分からない。
イートインのところの椅子に座っている父さんが俺に気づいて、隣に来る。