愛を知らない操り人形と、嘘つきな神様
「あのー、プリクラ撮りたいんですか?」
突然、背後から声をかけられる。
後ろに振り向くと、同級生くらいの二人の女の子がこちらを見ていた。
一人は茶色い髪でぱっちりとした目のかわいい女の子。身長はたぶん、百五十もいっていない。かなり小柄だ。
もう一人は黒髪で、百七十の俺より少し低いくらいの身長をした切れの瞳がかっこいい感じの子。
随分真逆なメンツだ。
低身長の子が、首を傾げて俺達を見ていた。
どうやら、撮りたいんですか? と聞いてきたのはこの子のようだ。
高身長の子は興味なさそうな顔で、俺達を見ていた。クールな子なのかもしれない。
「そうなんだよ! こいつ親が厳しいからあんまり放課後に遊んだことがないみたいでさ、今日初めてゲーセン来たんだよ! それで色々体験させてやりたいと思ってさ、プリクラも撮らせてやりたかったんだけど……」
阿古羅はわざとらしいくらい残念そうにしょぼくれた。
あざとい。
二人に協力してもらってプリクラを撮ろうとしているのが見え見えだ。
「……これが狙い?」
二人に聞こえないように、小声で聞く。
「せーかい」
小声でそういって、阿古羅は俺を見ながら、楽しそうに笑った。
「あの、よかったら四人で撮りませんか? それなら問題なく入場できますし」
低身長の子が笑って、阿古羅の思惑通りの言葉を言う。
「え、四人で撮んの? 初対面なのに?」
高身長の子が、眉間に皺をよせて突っ込む。
ごもっともな意見だ。俺もそう思う。
「うん、ダメかな?」
「……まあ、別にいいけど」
低身長の子に上目使いで見つめられると、高身長の子はしょうがないとでも言うかのように、しぶしぶといった感じで頷いた。
いいのかよ。
「マジで? じゃあ、お言葉に甘えて!」
女の子達を交互に見て、上機嫌な様子で阿古羅は言う。
俺は何も言わず、眉間に皺を寄せた。
何がお言葉に甘えてだ!
可笑しすぎるだろ!!
「おー、何だよその顔は。この俺がせっかくお前を楽しませようとしてんのに」
「何でそれで選ぶのがプリクラで、メンツが半分初対面なんだ? 可笑しくないか?」
あまりにツッコミどころが満載だ。
「じゃあ二人で撮るか? 四人で機械のとこまで行って。お前、そんなひでぇことできんだ?」
こいつ、タチが悪い。
わざと女子達にも聞こえる声で話してやがる。
「卑怯だ」
「いいから撮ろうぜ? 絶対楽しいからさ」
笑いながら、自信満々な様子で阿古羅はいう。
「……わかった」
俺はしぶしぶ頷いた。
こうして、俺達は四人でプリクラを撮ることになった。
余りに変だ。