Tear Flowers〜永遠の約束〜

栗色の美しい髪をした小学生ほどの女の子が、俯いて歩いている。否、周りをニヤニヤと意地の悪い同級生と思われる男の子数人に囲まれて無理やり歩かされている。女の子の瞳は、悲しみに揺れていた。

女の子は人気のない場所へと連れられていく。一体何が起こるのかなど安易に想像がつく。フィオナはサンドイッチをベンチに置き、女の子の元へと走る。感情などないはずなのに、助けなくてはと体が動いていた。

女の子は人気の全くない裏路地へと連れて行かれていた。裏路地はホームレスや犯罪者がいつ現れるかわからない治安の悪い場所だ。フィオナの頭にシオンから以前教えられたことが流れ、汗が噴き出た。

女の子は裏路地の壁に突き飛ばされ、男の子たちに笑われていた。男の子たちは「学校来んなよ！」と言った後、乱暴に女の子の髪を掴む。相手が痛がってもお構いなしだ。

「お前の目、何で片方ずつ違う色なんだよ！気持ち悪〜！！」

確かに女の子の目は片方ずつ色が違う。片目は薄い水色だが、もう片方はアンバーだ。オッドアイというやつだろう。見た目が違うため、いじめを受けているのだ。