私の婚約者には好きな人がいる
にっこりと微笑んでいるけれど、恭士お兄様の目は笑っていない。
「咲妃。一人でこの仕事を?」
山積みの書類にぽんっと手をのせて言った。
周りが息をのむのがわかった。
「ち、違います!閑井さんと二人でしていました!」
慌てて閑井さんを連れてきた。
閑井さんは顔を赤くし、慌てていた。
「なるほど。閑井君。妹が世話になったようで、ありがとう」
「ひえっ!い、いえっ」
手を差し出されただけで、閑井さんは怯えて、私の後ろに隠れた。
「清永社長。それで惟月は?」
「呼んでこい!早く!」
「いますよ。なにか用ですか?恭士さん」
二人がにらみ合うと、重い空気に包まれた。
「君から見て咲妃の働きぶりはどうかな?」
「会社は遊びに来る場所ではありません。社会勉強なら高辻の会社でやればよかったのでは?」
「そうですよね。ごめんなさい。私、もう―――」
言いかけた瞬間、閑井さんがずいっと前に出た。
「咲妃。一人でこの仕事を?」
山積みの書類にぽんっと手をのせて言った。
周りが息をのむのがわかった。
「ち、違います!閑井さんと二人でしていました!」
慌てて閑井さんを連れてきた。
閑井さんは顔を赤くし、慌てていた。
「なるほど。閑井君。妹が世話になったようで、ありがとう」
「ひえっ!い、いえっ」
手を差し出されただけで、閑井さんは怯えて、私の後ろに隠れた。
「清永社長。それで惟月は?」
「呼んでこい!早く!」
「いますよ。なにか用ですか?恭士さん」
二人がにらみ合うと、重い空気に包まれた。
「君から見て咲妃の働きぶりはどうかな?」
「会社は遊びに来る場所ではありません。社会勉強なら高辻の会社でやればよかったのでは?」
「そうですよね。ごめんなさい。私、もう―――」
言いかけた瞬間、閑井さんがずいっと前に出た。