溺愛甘雨~魅惑の御曹司は清純な令嬢を愛し満たす~
5、明かされる想い

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そして、母と芽衣子が約束した日曜日がやってきた。

美容室で髪をセットしてもらった芽衣子を迎えに行って、そのまま待ち合わせの店へと送る。
今夜の食事の場所は母お気に入りの日本料理店だった。

「じゃあ今から二時間後にまた迎えに来るよ。もし長引くようなら連絡して」
「ええ、ありがとう」

そうして店に入っていく芽衣子の姿をルームミラーで見送るなり、俺は私用スマホを手に取って、電話を掛けた。

「…波多野です。お世話になっております。―――お約束の時間通り伺わせていただきますので、どうぞ岸様によろしくお伝えください」

電話を切ると、俺は短く息を吐いた。

今までのどの会合よりも緊張していた。
だが、それ以上に気合が入っていた。

これから俺は芽衣子の父上に会う。
そして、芽衣子との交際を認めてもらい、改めて結婚の承諾をいただくつもりだった。





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