溺愛甘雨~魅惑の御曹司は清純な令嬢を愛し満たす~



その夜は、雅己さんと食事に来ていた。
二人で夕食を一緒するのは、二カ月ぶりだった。

もちろん、秘書業務はこれまで通り続けている。

私とお父様が親子水入らずの時間を過ごしている間、雅己さんは新規事業準備の大詰めを迎えていた。
公表を間近に控えた今夜の食事は、ひと段落したお祝いを兼ねてのものだった。
場所は高級ホテルの最上階。

絶品料理に舌鼓を打っている間、私は雅己さんにお父様とのことを夢中でお話した。
雅己さんは私が暴露するお父様の意外な一面に驚いたり笑ったりしつつも、幸せそうな私を自分のことのように嬉しそう見つめ、ずっと私の話を熱心に聞いていてくれた。

食事後はそのまま、最上階のスウィートルームに泊まった。

美しい大都会の夜景への感激も手伝って、いつもより多くお酒を飲んでほろ酔いになった私は、部屋に入った後もおしゃべりを止めることができない。
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