溺愛甘雨~魅惑の御曹司は清純な令嬢を愛し満たす~
エピローグ


あの日をきっかけにして、私とお父様は親子の時間を取り戻した。

雅己さんと話し合い、私は自分の部屋の契約を解約し、実家に戻った。

事務所近くに借りている部屋を生活基盤としていた父も、多忙な時間を縫っては帰宅するようになった。

そうして私の作った食事を一緒に楽しんだり、時には一緒に茶会や観劇に行ったりして、二十年近くの空白を埋めるように、今は親子水入らずの時間を楽しんでいる。

昔からお世話してくれていた家政婦さん達は、急に激変した私達の様子に驚きつつも喜んで、『まるで年の離れた恋人同士見たいですねえ』なんてからかってくるけれども、私とお父様は構わず、一緒に過ごすひと時ひと時を大切に楽しんだ。

だって、私とお父様が親子でいられる時間は、残りあとわずかなのだもの。





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