Letter - 大切な人 -
沈黙が流れる。
その時間、美利はいたたまれない気持ちになった。
関係が崩れてしまう。
その予感が的中したと感じたからだ。
幸せな報告のはずが、美利の表情はどんどんと曇っていく。
「琢己、和巳、知ってたか? いつからだ?」
竜は持っていた雪玉を地面に落とした。
「ごめん、ごめん三人とも……」
美利は辛くなり目を潤ませる。
智樹が美利の頭を撫でた。
和巳たち三人は体に着いた雪をほろいながら美利の元へ近づく。
「ごめん、また……また僕のわがままなんだ」
美利は自分の両肩を抱きしめる。
「みんなが好き。
竜も和巳も琢己も智樹も、みんな大好きなんだ
だけど、智樹だけもう少し、もう少し好きだったんだ……――」
美利の目から涙が流れる。
「もう僕はわがままを言っちゃいけないんだ。
正月に竜にわがままを聞いてもらったから。
僕は嫌われても仕方がないんだ」