追憶ソルシエール
開けていた窓を閉め、電気も消して教室を出た。

まだ活動している部活もあれば、終わっている部活もある。サッカー部はまだ活動中みたいだ。


こういうとき、凌介くんと家が同じ方角だったらよかったのにって何度も思った。多分あと少し経ったら終わるだろうからそれまで待って一緒に帰れるのに。

そんな気持ちを抱えながら、学校を出てタイミングよくやってきた電車に乗り込む。



いつもの帰宅時間より1時間ちょっと遅いだけでこんなにも暗くなるなんて。教室の窓から見た景色よりも一段と色を落としていく空を見ていれば、あっという間に最寄り駅に着いた。



「寒……」



ホームに降りた瞬間、冷たい風が肌を突き刺して思わず身震いをした。帰りが遅くなるってわかっていたら、もうちょっと着込んできたはずなのに。辺りも暗いからより一層寒く感じる。


「早く帰ろっと」

呟いたひとりごとは人気のない夜の闇に消えていった。


こんなときに限って観たいホラー映画の予告を思い出す。ホラーが得意だからと言って夜道が得意なわけではない。むしろ苦手だ。一度芽生えた恐怖心はなかなか消えないものだ。


音楽でも聞こう。ポケットの中に入れていたイヤホンを取り出す。気を紛らわせるための手段。音楽でも聴いていればそのうち忘れるだろう。
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