追憶ソルシエール

ぐるり、見渡してグラウンドの奥。


そこにサッカー部を見つける。試合中なのかボールがあちこちに移動し、それを何人もの人が追いかけている。




…………あ、いた。


無意識のうちに探していた凌介くんを見つける。ここからだと遠くてはっきり見えないけど、あれはきっと凌介くんだ。



青のユニフォームを着用している凌介くん。ダークブラウンの髪を目で追っていれば、ボールは凌介くんへとパスされた。相手チームを交わしながら、ボールを確実にゴールへと近づけていく。

────と、そのボールがきれいな弧を描いてゴールの中へ吸い込まれた。




瞬間、「わー!」と盛り上がる様子が窺える。仲間とハイタッチしているような姿も見え、自然と口角が上がった。



いつの間にか試合に釘付けになっていたわたしは、止まっていた足を前に出して再び歩き出す。


凌介くん、大活躍だった。試合のたった一部しか見てないけど、かっこよかった。



校内からは吹奏楽部の演奏が聞こえて、少し懐かしい気持ちになった。






「あ、来た」


ちょうど校門を出ようとしていたとき。

片手をポケットに入れ、凭れ掛かるようにして立つ人物。スマホをブレザーにしまいながら、こちらに向かって歩いてくる。
< 49 / 146 >

この作品をシェア

pagetop