大切なあなたへ

彼は志穂を抱きながら、何度も”愛してる”と言った。


そして、志穂も”愛してる”と…。


最後の夜が明け、二人は朝日を見つめていた。


「志穂、これからたくさん恋しろよ。
女は、恋すればするほど、綺麗になる。
いい女になってくれ。
俺が別れた事を後悔するくらいにな」


『うん、分かった。
絶対に後悔させてみせる』


志穂はそう言って、彼に手を差し出した。


『出会えて良かった。
あなたを好きになれて良かった。
今までありがとう』


彼は志穂の手を強く握った。


「志穂、その笑顔、いつまでも忘れないで欲しい。
志穂に出会えて、志穂と一緒に居られた時間は、本当に幸せだった。ありがとう」


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