which?



弘樹の声にハッとすると、白馬もお城もすでに消えていた。



「……加藤くんのお城は何平米なの?」


「ちょっとオレ、先生呼んで来るから。」


「えぇ!?何で…」



私はとっさに、弘樹の制服の裾を強く掴んだ。


その力に引き戻されて、動けなくなった弘樹。



「私、どこも痛くないし…大丈夫だよ?」


「いや…頭おかしいだろ。」



弘樹は溜め息をつくと、椅子に座り直した。



「…あのさ。」


「うん?」



真顔でこっちを見る弘樹に、私は笑顔で相槌をうった。



「…さっきの告白、本気?」


「そーだけど…何で?」


「熱中症とかで、頭変になったんじゃないかと思って。」



そう言って俯く弘樹。


…照れてんのかな?



「心配してくれたの?」


「……………そう。」



…今の間は…?



弘樹って思ったこと、はっきり言う人ってイメージがあったんだけど…


案外、そうじゃないのかな?




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