which?



それからの帰り道は、ふたりの存在自体が空気のようになって。


お互いに一言も喋らなかった。



そして、いつも以上に遠く感じた駅にやっと到着。



「…じゃ、ここで。」


「もう暗いし…送る。」


「大丈夫だから!!」



私は直後に来た電車にすぐさま飛び乗った。


「…弘樹、ごめんね…」



泣きそうなのを堪えて、自然を装う私と。


目の前の無表情な弘樹。



その間でふたりを隔てるように、ゆっくりと電車のドアが閉まった。




…きっと、弘樹と私の間にある壁はもっと分厚いんだろう。


その壁が壊れることは、絶対にないのかな?



だって、弘樹は出逢った時から変わってないんだもん…




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