転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
「あの――私、前世の記憶のようなものがあって……。花言葉はその時の世界で覚えたものです。前世の世界では国によって同じ花なのに花言葉が違ったりしたので、一概には言えませんが……。ルーデリア王国には花言葉は無いからおかしいですよね」

 スーリアは女神シュウユに前世の記憶持ちだと言えばよいと言われたことを思い出し、おずおずとそうアルフォークに打ち明けた。歯切れが悪くなってしまうのはどうにもしようが無い。
 前世の記憶持ちは全体としては少数派ではあるが、さほど珍しくもない。アルフォークはそういうことなのかとすぐに納得してくれた。

「そうなのか。スーの前世はどんなだったんだ? たしか、ルーに渡した花束の花は『女性への愛情』だったと記憶している。他の花にも花言葉はあるのか?」

 スーリアはアルフォークが大して驚きもせずにスーリアの言葉を受け入れてくれたことがとても嬉しかった。なんだか『倉田恵』時代から含めて自分を受け入れてくれたような錯覚すら覚えてしまう。

 だから、ついつい色々なことを話してしまった。

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