転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
プリリア王女はアルフォークを立ちあがらせると、すぐにその腕をアルフォークの鍛えた片腕に絡みつかせてきた。振り払うわけにもいかず、アルフォークは困惑する。
「アル、何を持っているの? まぁ、花束かしら? 小さいけど貰ってあげる」
プリリア王女はアルフォークの片手に握られていた花束を目ざとく見つけると有無を言わさずにその手からひょいと取り上げた。
アルフォークは内心で舌打ちしたが、王女殿下から奪い返すわけにもいかない。ちょうど魔術研究所に向かっている途中にプリリア王女と鉢会うとは、自らの運の悪さを呪わずにはいられない。
「リア様。こちらの花ですが実は気になる事があり、別の者に渡そうと──」
「アル。わたくしが貰ったのだから、もうわたくしのものだわ」
「……。リア様の仰せのままに」
アルフォークが花を取り返そうと申し立て終わる前にプリリア王女はぴしゃりとその発言を遮った。アルフォークはぐっと言葉を飲み込んで、プリリア王女に頭を下げる。プリリア王女はアルフォークが自分に従ったのを見て満足げに目を細めた。
「アル、何を持っているの? まぁ、花束かしら? 小さいけど貰ってあげる」
プリリア王女はアルフォークの片手に握られていた花束を目ざとく見つけると有無を言わさずにその手からひょいと取り上げた。
アルフォークは内心で舌打ちしたが、王女殿下から奪い返すわけにもいかない。ちょうど魔術研究所に向かっている途中にプリリア王女と鉢会うとは、自らの運の悪さを呪わずにはいられない。
「リア様。こちらの花ですが実は気になる事があり、別の者に渡そうと──」
「アル。わたくしが貰ったのだから、もうわたくしのものだわ」
「……。リア様の仰せのままに」
アルフォークが花を取り返そうと申し立て終わる前にプリリア王女はぴしゃりとその発言を遮った。アルフォークはぐっと言葉を飲み込んで、プリリア王女に頭を下げる。プリリア王女はアルフォークが自分に従ったのを見て満足げに目を細めた。