砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎
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連れてこられて入った天幕(テント)の中は、外から見た印象よりもずっと広かった。

そして、灼熱の陽射しが完全に遮られたそこは、エアコンのようなものは見当たらないのに、とても涼しかった。

テントの壁際に沿ってソファが弧を描くように連なって配置されていて、ファティマさんからそこに座るように促される。

西洋式のソファと違って脚がなく、地面の砂地の上に敷きつめられた絨毯に(じか)置きするタイプだ。

腰を下ろすと目線がぐんと下がり、まるで日本の座椅子のような感じである。
(背もたれと座面は、さすがにもっとふかふかしているけれども)


がっちりとして引き締まってはいるけれども、あたしよりもずっと背が高くて大柄なワファーさんが、あたしの隣に立て膝をついて腰を下ろす。

Ma'am(アキーラ), I apologize for my rudeness earlier.」
〈奥様、先ほどの御無礼をお詫びいたします〉

続いて、あたしよりも背が低くて小柄なファティマさんがワファーさんとは反対側のあたしの隣に、同じように腰を下ろした。

「I’ve been rude as well. I apologize deeply to you, Ma'am(アキーラ).」
〈わたしも同じことをしてしまいました。深くお詫びいたします、奥様〉

「Well, that's not important…where's Lazuli?」
〈そ、そんなことよりも…ラジュリーは⁉︎〉

たぶん、二人ともあたしを手荒く扱ったことをお詫びしてくれているんだろうけど、そんなことどうだっていい。


「You have nothing to worry about. Your ritual has already begun.」
〈ご心配なく。あなたがたの儀式はすでに始まりました〉

ファティマさんは平然と言い切った。

——えっ、ラジュリーは大丈夫なのっ⁉︎

(ライフル)を持った男たちに、まるで御神輿(おみこし)のように担がれてどこかへ連れて行かれたのに?

——それに……『your ritual(あなたがたの儀式)』って?


「From now on, your wedding will be held for three days and three nights.」
〈これから、三日三晩に渡って、あなたがたの結婚式が催されます〉

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