砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎
「……アミール殿下」
大橋さんが目を眇める。
「課せられた責任を果たせないときには、責められるのはあなたではなく……三浦です」
「No matter what happens, I’ll protect her. No one will have to worry.」
〈たとえなにがあろうと、彼女は私が守る。だれも心配なんかしなくていい〉
ラジュリーは即座に応酬した。
「アミール殿下はそうおっしゃってはいるが……パールちゃん、君はどうなの?」
大橋さんの厳しい眼差しが、今度はあたしに向けられる。
「この国には来たばかりで、知り合いもいないでしょう?ましてや、アラビア語も話せない。日本語を話せる人なんてほぼいないし、英語が話せる人だって限られているんだよ?」
それを言われてしまうと……ますます顔が曇ってしまう。
「それに、殿下が君以外を妻に娶らないということは……君が『皇太子妃』になるんだよ?」
——あ、あたしが……こ、こ、皇太子妃……⁉︎
「ホームシックになっても、もうおいそれとは日本に帰国できなくなるよ。両国間の『外交問題』に発展しかねないし、君を排除したいと思う勢力からは格好の追い出す『口実』になるからね」
大橋さんは畳みかけるように続ける。
「それから……今まで日本で築いてきた人間関係も、そのまま継続させるのは難しくなるよね?
友人や知人はともかく……日本にいらっしゃるお父さんやお母さんのことはどうするの?」
——うわっ、遠い外国にいるからって、なにも言ってないのに……
都合が悪くて面倒なことには思考停止して、思いっきり現実逃避していたってことに、ようやく気づいた。