青い夏の、わすれもの。
あたしは自分の役目を全うするため、一旦はすべて忘れたことにして、魁の元へ向かった。
「魁」
あたしは肩慣らしを終え、マウンドに向かって行こうとしている魁に声をかけた。
あの日以降、一言も話していない。
ラインでさえも連絡を取らず、この日を迎えてしまった。
会えない日々が会いたい想いを強くする、だなんてありきたりなラブソングの歌詞にあるけれど、今日ばかりはそれを否定しない。
そうであってほしい。
今日だけでもいいから、魁にはあたしのストライクゾーン目掛けて投げてほしい。
あたしはそんな想いをたった一言に凝縮した。
「行ってらっしゃい」
放った言葉は果汁100パーセント濃縮還元タイプのオレンジジュースのように甘酸っぱく、夏の太陽のような色をしていた。
魁はふっと鼻で笑ったけど、右手を拳にして天に向かって突き上げた。
「...おう!」
その声は今まで聞いたどんな声よりも透明で真っ直ぐで凛々しかった。
じーんと細胞の1つ1つに染み渡り、あたしの胸で幾度も反芻した。
「魁」
あたしは肩慣らしを終え、マウンドに向かって行こうとしている魁に声をかけた。
あの日以降、一言も話していない。
ラインでさえも連絡を取らず、この日を迎えてしまった。
会えない日々が会いたい想いを強くする、だなんてありきたりなラブソングの歌詞にあるけれど、今日ばかりはそれを否定しない。
そうであってほしい。
今日だけでもいいから、魁にはあたしのストライクゾーン目掛けて投げてほしい。
あたしはそんな想いをたった一言に凝縮した。
「行ってらっしゃい」
放った言葉は果汁100パーセント濃縮還元タイプのオレンジジュースのように甘酸っぱく、夏の太陽のような色をしていた。
魁はふっと鼻で笑ったけど、右手を拳にして天に向かって突き上げた。
「...おう!」
その声は今まで聞いたどんな声よりも透明で真っ直ぐで凛々しかった。
じーんと細胞の1つ1つに染み渡り、あたしの胸で幾度も反芻した。