青い夏の、わすれもの。
「今朝...」


唐突に魁は話し出した。


「グランドで自主練してた時、そのぉ...澪が来たんだ。それで...フラれた。

澪の顔に迷いはなかった。もしかしたらもういるのかもしれない。コイツだっていう人が。

なんとなく俺も分かるんだけど...」


まぁ、あたしも分かってる。

澪の出来ないところや澪の苦手なところをちゃんと理解してて、不器用ながらもそれを一生懸命補おうとしてくれるような人...

あたし、とっくに気づいてる。

だから、魁、潔く諦めなきゃね。

そして、次に進もう。

これから先も、あたしは...あたしだけは何があっても魁の側にいるから。

そう心の中で誓い、魁に言った。


「フラれたならしょうがない。
次行こ、次。はて、次はどこに行っちゃうんだか?」


あたしの皮肉混じりの発言に、魁は表情を曇らせた。

傷口えぐっちゃった?

なら、ごめんよ。

でも、そもそも魁が悪いんだから。

あたしを選ばないからバチが当たったんだよ。

ったく、ほっつき歩いてないで、

早く...早くこっちに来なさいよ。

ずっと...ずっとずっと待ってるんだから。


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