青い夏の、わすれもの。
それからも深月さんが先に下車するまでずっと話題は尽きず話し込んでいた。

話の中身としてはお互いのクラスのことがほとんどで、わたしは適度に風くんの様子を聞き出すことが出来た。

深月さんが風くんをどう想っているのかまでは読み取れなかったけど、なんとなく大丈夫な気はした。

根拠のない自信だけど、ないよりはマシだと思う。

深月さんを見送り、3つ後のバス停でさつまくんを見送った。

結局アイス作戦では落とせなかったなぁ...とショックを隠しきれず、窓に向かってため息を漏らした。

窓ガラスがくもる。

本当はやってはいけないのだろうけれど、わたしはどうしても書いておきたくて指を動かした。

描いたのは下手くそな相合い傘。

名前は"風"のみ。

隣に自分の名前を書くつもりで書き出したのに、わたしの指は途中から動かなくなってしまった。

わたしはわたしに自信がない。

根拠のない自信ならないのと同じ。

結局わたしは勇気のない弱虫な人間なんだ。

はぁっともう1度息を吹き掛け、ゴシゴシと消した。

そして、降車ボタンを右手で押し、その時を待ったのだった。

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