愛される何でも屋と両想いになれる確率
「それって……」

「あいつには、結婚して子どもを産んで、普通の幸せを掴んでほしいと思ってる。……娘みたいな存在だからな」

お義父さん、俺にビオラさんを任せてください!経済力もありますし、家事や育児も一緒にします!

「お前とマルコ、そしてエレンに数人の捜査員がビオラのことが好きなんだな。さて、あいつが誰を選ぶのか楽しみだな」

楽しそうにアンドレさんが言い、俺はビオラさんと両想いになれるように祈りつつ、グッと拳を握り締めた。



iustitiaのメンバーと合同で本番に備えた訓練をしたり、作戦を見直したりしているうちに当日を迎えた。

ドクドクと早まる鼓動を抑え、俺はホームに止まっている列車を見つめる。列車は平和を象徴する青で彩られ、多くの人に見守られながら出発する。

俺は今回、列車を取材する新聞記者という設定で列車に乗る。そのため、少々高い紺のスーツに高そうなカメラをぶら下げ、メモ帳とペンを握り締めていた。
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