愛される何でも屋と両想いになれる確率
「えっ……」

バレていたのか、と一気に顔が真っ赤になっていくのがわかる。でも恥ずかしいから目を逸らすなんてこと、できなかった。逸らすな、という圧をかけられていたから。

「ビオラは過去に色々あってな……。本当なら、俺が父親代わりをする予定も、何でも屋なんてすることもなかったんだ」

「どういうことですか?」

「ビオラはな、十三歳の頃に両親を殺害され、人身売買目的で誘拐されて監禁されていたんだ。俺たちiustitiaが救出した後、ビオラは言ったんだ。「私には帰る家も、待ってくれている家族もいない。できることなら何でもするから何でも屋として働かせてほしい」ってな」

「……そんなことが」

ビオラさんの過去はそんな壮絶なものだったのか……。確かに、あんな美人なら犯罪に巻き込まれてもおかしくないけど。

「それから俺が銃の使い方、格闘技を一通り教えて、あいつはiustitiaの唯一の女性メンバーになったんだが、俺はあいつにこのまま何でも屋として生きていってほしくないんだ」
< 9 / 17 >

この作品をシェア

pagetop