秘密に恋して~国民的スターから求愛されています~
帰りのタクシーではお互い無言で疲れていた私はウトウトして瞼が自然に落ちていく。
着いたよ、の声ではっと目を覚ましてふらつく足でタクシーを降りて彼と一緒にマンションへ入る。

エントランスを過ぎてエレベーターに乗り込み、誰にも会っていないことを確認する。

こうやって二人で同じマンションに入っていくことを誰かに撮られたりしたらどうするのだろう。
拓海にはあまり危機感がなくて私ばかり心配してしまう。

「疲れた…」

家の鍵を開けて拓海の自宅へ帰宅する。
すぐにパンプスを脱いで立ちっぱなしで疲れた足が解放されるのを感じながら寝室へ向かう。

早く仕事着であるスーツを脱いでしまいたくて、寝室へ入る前からボタンをはずしていく。
部屋着に着替えて、シャワーを浴びようとリビングに戻ると拓海が不機嫌そうに私を見ていた。

「拓海、迎えに来てくれてありがとう…」
「いいえ。俺がしたくてしただけだから」
「ありがとう。あ、」

思い出したように寝室へ戻る。
そうだ、鞄に杉山君からもらったものがあるんだった。
チョコレートって言っていたから冷蔵庫に入れないと。
早歩きでそれを取ってくるとすぐに冷蔵庫へ入れる。

「お風呂入ってくるね」
「うん」

汗が気になってすぐにシャワーを浴びるために浴室へ向かった。
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