秘密に恋して~国民的スターから求愛されています~
…――


彼のマンションまで私はタクシーで向かった。
電車で行く方が安いけど早く彼に会いたくてタクシー一択だった。
マンションのエントランスを抜け、エレベーターに乗って階のボタンを押す。

自分を急かすように早く、早くと足が前に進みドアの前で躓いてしまう。
すると、急にドアが開いた。

「あ、」
「あれ~拓海の彼女かな?来てるよ」

見知らぬ男性がドアを開けて、私の顔を見てニヤつきながら家の中にいる拓海を呼ぶ。私は、すぐに会釈をするがどうやらもう帰るところらしく続々と拓海の家から人が出てくる。

中には映画やドラマで見たことのある人もいた。

「拓海は中にいますよ」
「はい…」

そう言われて私はお邪魔しますときこえるか聞こえないかわからないほどの声を出して、玄関に入る。

玄関には拓海と女性ものの靴があってすぐにアンナさんだと思った。
入るのが怖いけどそれよりも拓海に会いたくてリビングのドアを開ける。

「沙月!」

ソファの前に立っている拓海はすぐに私に気づき私に駆け寄る。

「もうみんな帰るから」
「あ、うん」

チラッと彼の背後に目を向けるとアンナさんがかなり酔っているようでソファでぐったりしていた。
拓海はアンナさんに近づき、体を揺らす。

「起きろって。アンナ」
「やだ!泊まる!」
「はぁ?無理帰れ」
「なーんでよ。色々した仲じゃん」

アンナさんは、胸元の谷間が協調された服を着ていてタイトなスカートから太ももが露になっている。胸の奥がきゅっとなって呼吸がしにくい。

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