秘密に恋して～国民的スターから求愛されています～
「実は、週刊誌から連絡がありました。来週拓海の記事が出るという内容よ」

顔色一つ変えずに淡々と喋る彼女に向かってつい大きな声が出てしまう。
拓海の方を見るが彼もまた同様に表情一つ変えずに聞いている。

…週刊誌だよ？何故平然としていられるのだろうか。

咳払いをしたあと、スナガさんが続ける。

「記事の内容は一般人とお泊り愛かというタイトルであなたが彼女の家に行き来している様子がしっかり撮られています」
「…まぁそうだろうね。別に出たっていいでしょ。事実だし」

私と拓海の記事が世に出てしまう。
拓海は別に問題ないというが、問題ありだからマネージャーがこうやって家にまで押しかけてくるのではないか。

「それは困るのよ。しかも今はドラマの撮影中よ。三か月後には映画の撮影もある。今は困るの」
「つまり、沙月と別れろってこと？」


拓海の低い声に腕が粟立つのがわかった。

< 66 / 215 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop