恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
家政婦さんに案内され廊下を音を立てないように進む。
家の中は和で統一されているのかと思ったがそうでもなくて、和洋折衷という言葉が合うような内装になっている。


リビングへ続く廊下は長くて途中壁に飾られている絵画に目を向ける。千秋さんが私に目くばせする。
緊張しないで、そう言われている気がして声なく頷く。

「こちらです」

千秋さんがありがとうと言ってリビングのドアを開ける。
後に続くようにして続く。

「もう来たのか」
「あら、本当ね」
「うん。久しぶり」

リビングは大きなソファに立派なテーブルが最初に視界に入る。天井が想像以上に高いからか広々と感じる。

ソファに腰かける男女は千秋さんのご両親だ。
千秋さんのお父さんは縁のない眼鏡をかけていて、ぶっきらぼうな声とは対照的に目鼻立ちのしっかりとしているイケメンだった。夏希君に似ているように感じた。
隣に座っているのはおそらくお義母さんの方だけどこちらもとんでもない美人だった。セミロングの髪はゆるくウェーブがかかっていて、ジュエリー会社の社長なだけあって首元に光るネックレスが主張している。

着物でも着ているのかと思ったが、黒いロングスカートに白のセーターを着ていた。
一般人とはオーラが違う。

しかしどちらも共通しているのは”目が冷たい”ということだった。
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