恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
夏希君はお茶を飲み終えると、もう帰るよと言って立ち上がった。
その言葉に少し安心してしまったのは、彼には言えない。

お見送りしようと思って、玄関先までついていった。
コートを着て、じゃあという彼に軽く手を振ろうとしたとき、

「っ…」

急に抱きしめられた。

でも、夏希君だからなのか私自身の体は拒絶反応を示さなかった。
触れられても嫌じゃないのは…―彼が初恋だから?

「ちょっと!夏希君?!」
「これくらい許してよ。兄貴は桜子の手料理食べられるんだから」
「…」


そう言って、もう一度強くギュッと抱きしめる。
夏希君の胸の中は、幼い頃記憶の中の小さな体でもなくて、立派な大人の男性のものだった。

ゆっくりと体を話すと顔が真っ赤の私を見て小さく笑って

「ドキドキした?」
「し、してない!」
「ふーん、でも顔は真っ赤だけど?」

そう言って玄関のドアを開けて帰っていった。

…なんだ、これは。

私はドキドキしてしまった感情をどうしたらいいのかわからずにその場に座り込んだ。
自分の胸に手を当てるといつもよりも鼓動が速くて、それを彼に悟られていなければいいなと思った。

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