ストロベリー・ゲーム
まだ、記憶の片隅に置いていてくれたのか、私のことを。
そう思うとなんだか嬉しくて、くすぐったい気持ちになった。
「ここから出てもおじいさんに交渉するからね。絶対、怜美を出してくださいって言いに行くからね。待っててね。ごめんね、本当に」
「ううん、ありがとう」
泣きそうだった。
ああ、こんないい子だから友達になれたんだろうな、あの時の私は。懐かしい。いつだって私の周りには、私が一緒にいたいと選んで、私が好きだった人達がいてくれるんだ。
高校二年生になって仲が良い友達とクラスが離れた。
また一から友達関係を作って行かなくちゃいけないんだと思うとしんどかったんだ。でも、今いる友達を大切にすることもできるよね。