お姫様は恋してる?
その日の晩、一叶は、真知子様が預かると言ってふたりをお泊まりデートに送り出した。

で、結局、俺が一晩泊まって一叶の世話をするんだな。

真知子様は、きっかけを作ったこともあるが俺を気に入ったのか、やたら家に呼ぶし、俺も居心地が良いせいか、一誠や香子がいなくても入り浸っている。

一誠は「あいつが小姑か?」と苦笑いしている。

でもおかげで一叶が、ぐずらずお留守番してくれるんだから感謝してもらわないと。


「ただいま。」

「おかえり。」

帰ってきたふたりを一叶を抱いて出迎える。

「秀介、留守番ありがとな。」

一誠が、満面の笑みで一叶を引き取ると大泣きされた。

何か勝ったような気分になる。

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