【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない

どういう女であろうと真凛の友達である事は確かだ。
自暴自棄になってマンションを飛び出したと真凛が知れば、きっと彼女の事だ心配するに違いない。

立ち上がった碧人は、俺の方を指さして厳しい眼差しを向けた。

「真凛さんが帰って来ることになったら、自分の気持ちに正直になって想いを伝える事」

それには苦笑いで返すしかなかった。

「ああ、精進するよ」

もう一度やり直したい。 君がいつでも自分の言いたい事を我慢してしまうタイプの子ならば、それを受け入れられるくらい器の大きな人間になりたいって思っているんだ。

そしてもう一度二人の結婚生活を見直したい。
君と一緒に見たい未来があるんだ。

左手の薬指にはお揃いのリングが光る。 もしかしたら捨てられてしまったかもしれないけれど、何度だってやり直せるように君と向き合うから。


俺は、君が好きだ――。
じーさん達の約束関係なく、君が結婚相手で良かったと今は思っている。

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