【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない

「…もうそれ以上言わないで。私にとってはいい思い出ばかりじゃないんだから。 あなたはそうね、もう少し人の気持ちを考えて発言をした方がいいと思うわ。
それに私が話したいのはそういう事じゃなくって…
私は伊織さんの事は何も知らないですし…
伊織さんとゆっくり話そうと思ってもあなた全然家にいないですし」

「市ヶ谷 伊織。 28歳。
誕生日は6月20日のAB型で
身長は178センチの体重60キロ」

「それは痩せすぎですよ?!伊織さんご飯ちゃんと食べています?!」

「腹が減ったら適当にその辺にあるものを食べてる」

「その辺にあるものって野良猫じゃないんだから…
って、私はそういうあなたのプロフィール的な物が知りたいわけじゃあなくって…!」

彼と話していると思わず突っ込みたくなる。 人とのコミュニケーション能力が乏しすぎる…。
その場で頭を抱え項垂れていると、彼はスッと立ち上がり私の隣に座り込む。

ジッとこちらを見つめたかと思えば、更にネクタイを緩める。 そこから見える鎖骨はとても美しい。 悔しいけれど…す、スタイルいいんだよなあ…。

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