優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
「は!?なぜ私が?」

渚生君は手を差し出した。

「俺一人でホテルディナーはさすがにね?」

「今園。料理がもったない。ディナーを楽しんでこい」

「はあ」

納得いかない顔で今園さんはうなずき、渚生君の腕をとった。

「日奈子、俺達は帰ろう」

「はい」

黒服の人達はカメラマンの運転免許証と名刺を確認すると、解放してあげていた。
怖かったのか、商売道具のカメラを置いて、すごいスピードで逃げていった。

「いい加減にあいつらを始末しないとな」

そう言った壱哉さんの声は 物凄く冷たかった―――
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