秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
3人で並び駅に向かう。
橋本くんと雅臣さんは反対方向のため改札で2人と分かれた。

疲れたー!
本当に疲れた。
味もわからなかったし食べに行かなきゃ良かったわ。

私は電車を乗り継ぎマンションへ帰ると、ちょうどスマホが鳴った。

電話?

『真帆。無事に着いたか?』

『雅臣さん??今部屋に入ったところです。お疲れさまでした。』

『あぁ。お疲れ。真帆不足で死にそう。』

『えぇー?まさか。』

『疑うのか?』

『いえ…そんなことは…。』

『しかも橋本と仲のいいところを見せつけられてさ。あーあ…俺も同期になりたかったよ。そしたら普通に真帆に絡めたのに。』

『橋本くんと雅臣さんは違いますよ。』

『俺、自信なくなる。真帆に選んでもらえるか心配。』

『え?』

『ごめん。情けないな。ごめん、また明日。』

電話はすぐに切れてしまった。

雅臣さんが自信がないの?
ウソ…
私なら分かるけど、雅臣さんにはそんなことないと思っていたのに。
雅臣さんは私に一生懸命自信をくれたけど、私は与えられるばかりで雅臣さんに返したのかな?

橋本くんとご飯に行くなんて無神経だったのかな。

考え始めると頭がグルグルとしてきた。

雅臣さんが一番大切。
これはブレない気持ち。
雅臣さんに嫌いになられても仕方ないけど私から嫌いになることはない。
分かって欲しい。
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