秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
いつまでも洗面所を占拠する訳にはいかず、渋々洗面をしてスッピンで出てきた。

化粧ポーチを洗面所に持っていき忘れてしまったけど、すでにパンダも見られ、今更すっぴん見られてもどうってことないわ。

あーあ…

頭をもたげて洗面所から出るといい匂いがしてきた。

「杉原、座って〜。朝ごはん食べるだろ?」

「えぇ?!まさか。大丈夫ですから。」

そうは言ったが私のお腹はとても素直。
ホットサンドとコーヒーの匂いに反応し、グーっとなってしまう。

「お腹は素直だなぁ。ま、座りなさい。大したものはないんだから。」

「申し訳ありません…。」

「ま、一緒に寝た仲じゃないか。仲良くやろう。」

うぅ…
その言い方やめてください。
完全なる私の失態です。
せっかくご飯に誘ってくれたのに飲んで寝て、さらには迷惑までかけて。

もうヤダ…
目尻から涙がポロッとこぼれてしまった。

「す、杉原?どうした?ごめんな。何か気に障ったか?」

「いえ。本当にすみませんでした。課長に迷惑かけて情けなくて…。」

「迷惑なんてないぞ。俺が誘ったんだし。迷惑だと思うならそもそも誘ってないから。それに寝ちゃったのはみんなのことをいつも助けてるから疲れが溜まってたんだろう。飲ませた俺も悪かったよ。だからうちに泊まらせた。下心なんてないからな。夜も何もしてないからな!」

「もちろんです。私なんてみんなから女と思われてないのは知ってますから手を出されたなんて思ってないです。ただ、課長に迷惑をかけたことが心苦しくて。もういなくなりたい。」

「何言ってるんだ。お前は可愛いぞ。自信を持て。」

「…」

課長…励ましてくれなくていいです。
イケメンの課長に言われてもなんの効果もありませんよ。課長にはわからない世界ですよ。

ポロッとまた涙が落ちた。

「さぁ、ご飯を出して元気を出せ!」

「……いただきます。」

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