秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
「妊娠している可能性があるわ。絶対ではないの。でも…可能性は高いと思う。体調の崩れ方からみてもなんとなく、ね。」

「は、はい…。」

「大丈夫よ。落ち着いて。」

私の手を握り声をかけてくれるお姉さんの優しさにますます涙が溢れてきてしまう。

「聞いていい?健吾の子供ではないのよね?」

「はい。橋本くんは私の同期でとてもよくしてくれる同僚です。相手の方は知り合って長いですが付き合って1ヵ月くらいです。それに…昨日もドタキャンされて。」

「そっか。昨日も辛かったわね。」

「彼を信じたいんです。でも…一度信じても、また信じられなくなってしまう時があるんです。どうしたらいいのか。私は彼を嫌いになれない。」

「彼と話すべきだと思うわ。とても大事なことだから。」

「今は話したくないです。誰にも言わないでください。橋本くんにも。」

「分かったわ。健吾にも話さない。」

「ありがとうございます。」

「でもね、早く産婦人科で診てもらったほうがいいわ。」

「明日行ってみます。」

「ひとまず今日は妊娠していても大丈夫な点滴にしましょう。昨日したものも大丈夫よ。」

「ありがとうございます。」

「さ、また少し休むといいわ。」  

「ありがとうございます。」

私の涙は少し収まり、落ち着いてきた。
産婦人科で診てもらわないことには確定じゃない。
分かってからどうしたらいいか悩もう。

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