秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
俺はそもそも結婚願望なんてものはなくて、32になってもしたいとも思わなかった。
したいときにすればいいや、くらいにしか思わなかった。

特定の彼女は今はいない。

彼女を作ると連絡しろと言ってきたり会えないと文句を言ってきたりとめんどくさい。やれ記念日だ、クリスマスだとプレゼントを買うのも厄介だ。
時々遊べるくらいでちょうどよかった。
向こうだって遊びだろうな、という女としか関わらなかった。

だからまさか同じ職場の女に手を出そうなんてめんどくさいことするつもりは無かった。

でも…杉原はなんだか気になって仕方なかった。
なんだ俺が下心なく、単にご飯に誘っても決して来ることはなかったからかもしれない。

職場の女とは仕事を円滑にするために時々食事に行っていた。でも決して2人にならないように注意していた。

杉原だけはどんなに誘っても来なかった。
杉原を見かけるのは部署全体の忘年会や歓送迎会だけだった。

俺は嫌われてるのかと思った。

でも昨日俺をイケメンだから、と何度も言っていた。

顔が嫌いなのか??

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