秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
私たちは部屋でのんびりと過ごし、一緒にまた夕飯を作って狭いベッドでくっついて寝た。

翌日からも一緒にご飯を作り、家で映画を見ながらのんびりしたり、散歩がてら買い物に行ったりして過ごした。

雅臣さんといるのが自然で、毎日一緒にいたら上司だということも忘れ、ただの彼になっていた。一緒にいても心地よくて疲れることはない。気を遣わずに過ごせる。

雅臣さんが想いを伝えてくれなかったら今この時間はなかった。
私から言うことは絶対にできなかった。
雅臣さんがいつまで私のところにいてくれるかわからないけど…でも今幸せ。
雅臣さんを繋ぎ止めるだけの自信はない。そもそも雅臣さんに好きと言ってもらえるだけの魅力もあるとは思えない。
どこを好きになってもらえたんだろう。

私はすごく今幸せ。でもすごく不安。
雅臣さんが離れていったら、と考えるだけで不安になる。
夏休みだからずっといられる。
でも終わって仕事が始まったら?
雅臣さんを信じていないわけではない。
そばにいていいという言葉を信じていいんだよね?
裏切られないよね?

こんなに優しい雅臣さんに裏切られたら耐えられない。
でも何もかも兼ね備えている雅臣さんが離れたら私には引き止められるものもない。

あーあ。
もうなるようにしかならないよね。
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