秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
翌日。
今日も朝からいい天気。
私たちは諏訪湖へ向かった。

少し渋滞もしていたけどパーキングによりご当地グルメを食べたりしながらの道のりはとても楽しかった。

毎日一緒にいても話すことは尽きず、また話が途切れたとしてもそれが苦痛ということはない。お互いに景色を楽しんでいてもさほど気にならない。

諏訪湖へはお昼に付き、湖を見ながらご飯を食べ遊覧船に乗った。
パワースポットの諏訪大社を参拝し、ガラスの美術館へ向かった。

ガラスの作品を見て回り、さらには体験もできるということでここにきた。
私は雅臣さんとトンボ玉を作ることにした。
雅臣さんとできたものは交換しよう、と約束したので頑張らないと…。

私は青をベースに作り始めた。バーナーで炙りながらガラス棒を溶かしていく。
マーブル模様にするため四苦八苦してしまう。
手作業は好きだけど初めてなのでなかなか手強い。スタッフの男性は褒めてくれるけど雅臣さんにあげるものだから、と思うともう少し玉を大きくして丸くバランス良くしたいと思い無言で集中する。

気がつくと雅臣さんは作り終わっており、ストラップへの加工の方は進んでいた。

私はやっとトンボ玉を仕上げ冷却に入ったところだった。

雅臣さんのところに行くと女性スタッフが教えており、なんだか距離が近いように思う。

「雅臣さん。出来ましたー。雅臣さんはもうここまで進んでるんですね。」

「真帆も終わったのか?」

「はい!」

「どんな感じですか?」
私が見ようとすると隠してしまう。

「後でな。」

「見たかったなぁ。」

私たちが話しているのを先ほどまで教えていた女性のスタッフは離れることなくここにいて私に冷たい視線を送ってきた。

はぁ…
まぁその気持ちもわかるけど。
他人からこういう目で見られるのは辛いなぁ。
釣り合ってないのは自分がよくわかってるんだけど。
スタッフの子は若くて可愛いから余計に私のことをこういう目で見るんだろうね。

げんなりしていると雅臣さんは私の肩を抱き、

「真帆はうまくいった?見に行こう。」

私の冷却している作品を見るため立ち上がった。

スタッフを置き去りに私が作業していた部屋へ戻っていった。
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