キミを描きたくて

Side Shizu

依茉が長らく待ち望んでいた"イツキ"。
その男が現れると、依茉は困惑してパニックに陥った。


「お兄ちゃん、そんなのお兄ちゃんじゃないよ」


依茉はかつて、イツキのことを素晴らしい人だと評価した。
でも俺には、狂った人間にしか見えなかった。

何故だ。
何故そこまで依茉に執着する。

ハヤトクンに留まらず、第2の人物が現れたことに苛立ちを隠せない。

違う。付き合っているのは俺だ。

依茉と付き合っているのは俺なのだ。

どうしてどいつもこいつも邪魔ばかりする?
これなら全ての力を行使して、とっとと依茉をこの家から出せばよかった。

彼女が泣きわめいても、全てを取り上げて、俺のものにすればよかった。


「これ以上話聞いてくれないなら、ここから飛び降りる」


依茉がしのうとしている。
依茉が、全てを捨てようとしている。

それだけは止めねばならない。

でも、目の前の狂った人物がいるために、俺は動くことができなかった。


「そこから動かないで、近づかないで!!」
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