キミを描きたくて
あの目を見てわかった。
依茉は、あの面倒な女どもとは違う。

きっと僕の本性を知っても、愛してくれる。


...騙すようでごめんね、依茉。

女避けのためだけに利用するわけじゃない。
どれだけ泣き叫んでも、喚いても、嫌われても、絶対に解放することは無い。

もう、僕のものだ。

自分のものは、自分で管理しなきゃね。


依茉が沸かしてくれたお湯に浸かって、彼女のスマホを触る。

パスワードはさっき横から見たし、メッセージアプリのロックはそもそもかかってなかった。

...ふふ、おばか。

今頃、スマホがなくて焦ってるんじゃないだろうか。


メッセージアプリを開くと、友達の少なさにまず驚く。

あれだけ可愛いだの、姫だのと騒がれていて ここまで少ないことなんてあるだろうか。

しかしトークの未読数は800を超えている。
どうやら、学校の人とメッセージのやりとりはするが、追加はしていないらしい。

僕の連絡先を入れて、僕をお気に入りに登録しておく。

そして友達を僕1人だけにした。

...ごめんね、依茉。
簡単に逃げれると思ったら大間違いだ。

絶対逃がさないよ。
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