キミを描きたくて

Side Hayato

あれから何日が経っただろう。
依茉ちゃんとの連絡は一切取れていない。

だからといってマンションに近づくのはどこか怖くて。

依茉ちゃんの幸せは、きっとお兄さんと過ごすこと。
そう考えると、僕の出番なんてもう無い。

アトリエにも顔を見せなくなった。
きっともう来ることなんてないんだろうな。


「浮かない顔してるねえ」


店長がそう僕に話しかける。
依茉ちゃんが来ないこの店に、価値なんてない。
辞めるなんて、いつでもできる。

でも、いつか戻ってきたら?
もし何かあって、連絡が取れてないだけなら?


「大丈夫ですよ」

「依茉ちゃん、すっかり来なくなったね。まあ最近暑いからね〜」


休憩入りなよ、と言われて裏に入る。

スマホを開いて真っ先に開くトーク画面。
それは決まって依茉ちゃんのものだった。

カレシクンは連絡取れているのだろうか…?

でも、そんなことを確かめるすべはない。
そんな時、店のベルが鳴る。

期待をして監視カメラの画像に目を向けると、そこには期待はしていなかった存在がいた。


「隼人ー、お客さん来たよ、隼人呼べってさ」

「…どうしたの、カレシクン」
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