キミを描きたくて
「いつまでもここにいて」
「いつまでもここにいてくれればいいのに」
「...無理ですよ、閉店があるでしょう」
「ふふ、そういう意味じゃないよ」
ここにいてくれればいいのに。
その言葉の真意は考えないことにした。
答えがわかったわけではないが、わかったところで何も無いからだ。
隼人くんの輪郭をキャンバスに描く。
ずれてしまったその線を、指で擦って誤魔化す。
色を塗れば、変わらない。
「ねぇ、依茉ちゃん。依茉ちゃんは...何か欲しいものがあるとき、どうする?」
「欲しいものって?」
「そうだなぁ、お金じゃ買えないもの。友達とか、信頼とか......愛情とか」
お金では買えない友情、信頼関係、愛。
隼人くんはきっと、その三つを私が求めていることを知っている。
意地悪な質問だ。
答えに迷って口を閉じ、キャンバスにどんどん線を細かく描いていく。
色を塗ろうと思ったが、水彩ではなく別のものにしよう。
...隼人くんの顔は色をはっきりさせた方が、美しく映える。
油彩にしよう。次は絵の具を持ってこなくちゃ。
「...さ、もう閉店時間だから、キリのいいところで終わりにしようか」
「...無理ですよ、閉店があるでしょう」
「ふふ、そういう意味じゃないよ」
ここにいてくれればいいのに。
その言葉の真意は考えないことにした。
答えがわかったわけではないが、わかったところで何も無いからだ。
隼人くんの輪郭をキャンバスに描く。
ずれてしまったその線を、指で擦って誤魔化す。
色を塗れば、変わらない。
「ねぇ、依茉ちゃん。依茉ちゃんは...何か欲しいものがあるとき、どうする?」
「欲しいものって?」
「そうだなぁ、お金じゃ買えないもの。友達とか、信頼とか......愛情とか」
お金では買えない友情、信頼関係、愛。
隼人くんはきっと、その三つを私が求めていることを知っている。
意地悪な質問だ。
答えに迷って口を閉じ、キャンバスにどんどん線を細かく描いていく。
色を塗ろうと思ったが、水彩ではなく別のものにしよう。
...隼人くんの顔は色をはっきりさせた方が、美しく映える。
油彩にしよう。次は絵の具を持ってこなくちゃ。
「...さ、もう閉店時間だから、キリのいいところで終わりにしようか」