キミを描きたくて
次の日。
駅に行って、会長と合流する。

少し早く駅に着いても、彼はいつもそこにいる。

乗る駅の路線は違うのに、わざわざ降りて私を迎えに来る。

いちいち面倒だろうに。

そんなことを思いつつも言えずに、手を繋いで並んで歩く。



「そういえばさ、依茉」

「...なんですか?」

「今日も泊まっていい?」

「ごめんなさい、今日はちょっと用事があるので」



放課後部活に行かずそのまま行くから帰れない旨も一緒に伝える。

露骨に不機嫌そうな顔をして、そう、なんて一言。

そこからは不機嫌なオーラに負けて何も話せず学校に着くだけだった。



「おはよう依茉ちゃん!」



みんな話しかけてくるし、挨拶をしてくる。
うん、なんて返ししか出来ずに席に着く。

人と話すのは苦手だ。

どちらかと言うと、一人でも楽しめるような絵や歌、本や勉強が好きで活発的な方ではない。

喘息のこともあり、幼い頃からあまり人と関わる機会がなかった。

その時のことが今更になって全面に現れている。
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